フェスの出演料・ギャラ相場|アーティストを呼ぶ費用と依頼方法

「フェスの出演料の相場は?」
「予算でどのクラスを呼べる?」
「出演料以外の費用は?」
フェスの出演料は公開されることがほとんどなく、初めてアーティストを呼ぶ主催者にとって予算を組みにくい費用です。とはいえ、出演枠や持ち時間、アーティストの動員力によって、おおよその相場は見えてきます。
本記事では、企業主催のフェスや自治体の地域フェスを企画するご担当者、クライアントのイベントを手がける広告代理店の方に向けて、出演枠別・規模別の出演料の目安を紹介します。あわせて、開催にかかる費用の内訳や予算別のラインナップ例、依頼の流れまで解説します。
フェスの出演料(ギャラ)の相場
フェスの出演料は、アーティストの知名度だけでなく、どの出演枠でどれくらいの時間演奏するかで大きく変わります。まずは出演枠・知名度・フェスの規模の3つの切り口から、相場の目安をつかんでおきましょう。
出演枠別の出演料の目安

| 出演枠 | 出演料の目安(1ステージ) | 持ち時間の目安 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| オープニングアクト | 20万円〜50万円 | 20〜30分 | 開場直後の場を温める新人枠 |
| 中盤の出演枠 | 50万円〜200万円 | 30〜45分 | 固定ファンを持つ中堅枠 |
| メインステージの上位枠 | 200万円〜500万円 | 45〜60分 | 集客の中心となる人気枠 |
| ヘッドライナー | 500万円〜 | 60分以上 | フェスの顔となるトリ枠 |
表は国内アーティストの目安で、同じ枠でも人気や編成によって金額は上下します。たとえば同じ中盤枠でも、SNSで話題の新人とヒット曲を持つベテランでは、提示される金額に大きな差が出ます。
ヘッドライナーはチケットの売れ行きを左右するため、最も高額になる枠です。大型フェスのトリを務めるクラスになると、表の目安を大きく上回るケースもあります。

見積もりを依頼する前に、各枠の持ち時間とリハーサルの有無を決めておくと、事務所側も金額を出しやすくなります。条件が曖昧なままだと、枠ごとの見積もりの前提がそろわず、候補同士を比べられません。
知名度別の出演料の目安
| 知名度 | 出演料の目安 | フェスでの主な出演枠 |
|---|---|---|
| 新人 | 20万円〜50万円 | オープニングアクト・サブステージ |
| 中堅 | 50万円〜200万円 | 中盤の出演枠 |
| ベテラン・人気アーティスト | 200万円〜 | メインステージの上位枠・ヘッドライナー |
上の表は、CASTIAで紹介している歌手のイベント出演の相場を、フェスの出演枠に当てはめたものです。フェスでも、出演料の基準になるのは通常のイベント出演と同じく知名度と動員力です。
同じアーティストでも、ストリーミングやSNSでヒットが出た直後は出演料が上がりやすくなります。依頼した時点では新人扱いだったアーティストが、開催までにブレイクしてフェスの目玉になるケースもあり、早めに依頼しておくと費用面でも有利に働きます。

フェスの規模別の出演料の目安
| フェスの規模 | 主な例 | 1組あたりの出演料の目安 |
|---|---|---|
| 大型フェス | 数万人規模の有名フェス | 数百万円〜 |
| 中規模・地域フェス | 自治体や地元企業が主催するフェス | 数十万円〜数百万円 |
| 小規模フェス | 商業施設のフェス、企業イベント内のライブ | 20万円〜200万円程度 |
地域フェスや企業主催のフェスでは、ヘッドライナー1組に予算を集中させ、残りの枠を新人や地元のアーティストで構成するのが一般的です。たとえば販促を兼ねたフェスなら、商品のターゲット層に人気の中堅アーティスト1組を目玉にして、前半を新人で固める形が組みやすくなります。
海外アーティストの出演料
- 渡航費・宿泊費(メンバー/スタッフ分)
- 就労ビザの申請費用
- 通訳・アテンドの費用
- 機材の輸送費やレンタル費
- 招へい会社への手数料
海外アーティストは、出演料に加えて上記のような招へいの費用がかかるため、国内アーティストより総額が大きくなります。
参考として、イギリスのグラストンベリー・フェスティバルでは、ヘッドライナーを務めたポール・マッカートニーやコールドプレイの出演料が20万ポンド(約2,650万円)だったと報じられています。
しかも同フェスは、主催者自身が他のイベントの支払う額の1割にも満たないと話すほど、出演料が低いことで知られています。ビザの取得など準備期間も長くなるため、初めてフェスを開催するなら、まずは国内アーティスト中心でラインナップを組むのが現実的です。
出典:ロッキング・オン ドットコム「グラストンベリー・フェスティバルに出演するアーティストのギャラや運営費はいくら?」
フェスの出演料がワンマンライブより抑えられやすい理由
ワンマンライブと比べると、フェスの出演料は抑えめに設定されることが多くあります。理由を知っておくと、事務所との条件のすり合わせで何を伝えればよいかが見えてきます。
1.持ち時間が短い
ワンマンライブは2時間前後のステージが多い一方、フェスの持ち時間は1組20〜60分程度が目安です。たとえば30分の枠なら演奏できるのは6〜7曲ほどのため、フルセットのライブよりも出演料の相談がしやすくなります。
2.ステージや音響設備を共有できる
フェスでは、ステージや音響・照明の設備を複数のアーティストで共有します。アーティストごとに大がかりなセットを組まずに済むため、ワンマンライブで必要になる舞台制作の費用の一部を、主催者側の設備でまかなえます。
一方で、普段から専用の照明や映像演出を使うアーティストの場合は、持ち込み機材の搬入や調整に時間がかかります。転換時間が延びるとタイムテーブル全体に影響するので、依頼の段階で演出の有無を聞いておくと安心です。
3.新しいファンに出会えるプロモーションの場になる
フェスは、普段そのアーティストを聴かない来場者にも演奏を届けられる場です。そのため、出演料だけでなく、新しいファンを獲得できる宣伝効果も、アーティスト側が出演を決める判断材料になります。
主催者側は、来場者の年代や想定の動員数、SNSでの告知計画などを具体的に伝えると、出演するメリットを感じてもらいやすくなります。初開催のフェスほど、こうした情報をまとめた企画書を用意しておくと話が進みやすいはずです。
フェス開催にかかる費用の内訳

| 費用項目 | 主な内容 |
|---|---|
| アーティスト出演料 | 出演料、アーティスト側の交通費・宿泊費 |
| 会場費 | 会場のレンタル費、設営・撤去期間の使用料 |
| ステージ・音響・照明 | ステージの設営、音響・照明機材と技術スタッフ |
| 運営・警備 | 運営スタッフ、警備員、救護スタッフ |
| 設備・備品 | 仮設トイレ、テント、電源車、バリケードなど |
| 宣伝費 | Web広告、SNS運用、ポスター・チラシの制作 |
| チケット関連 | チケット販売の手数料、入場管理 |
| 保険・許認可 | イベント保険、各種申請・届出の費用 |
フェスを主催する場合、出演料は総予算の一部にすぎません。会場や設備、運営にかかる費用を含めた全体像をつかんでから、出演料にいくら割けるかを決めましょう。
野外フェスでは、仮設トイレや電源車、雨天時のテントなど、屋内の会場では不要な設備が加わります。たとえば公園を会場にする場合、会場の使用料は安く済んでも、設営や警備の費用で総額がふくらむことがあります。
イベントのキャスティングに携わるCASTIAでも、出演料だけで予算を組んでしまい、音響やステージの手配費用が後から足りなくなる相談をよく受けます。見積もりを取るときは、出演料と設備費を分けずに総額で比べるのがおすすめです。

野外フェスは、雨天や荒天で中止になった場合の出演料の扱いも事前に確認しておきましょう。キャンセル規定によっては、中止になっても出演料の全額を支払う必要が出てきます。
フェスの出演料が決まる要因
同じアーティストでも、条件によって提示される出演料は変わります。複数の見積もりを比べるときは、次の4つの要因をそろえて考えると判断しやすくなります。
1.アーティストの動員力
出演料を最も大きく左右するのは、そのアーティスト目当てにどれだけの人がチケットを買うかという動員力です。たとえばワンマンライブでホールを満員にできるアーティストは、フェスでも集客の柱として扱われ、出演料も高めになります。
2.出演枠と持ち時間
メインステージの上位枠やヘッドライナーほど、出演料は高くなります。同じアーティストでも、30分の枠と60分の枠では演奏する曲数もリハーサルの時間も変わるため、提示される金額に差が出ます。
3.開催時期と開催地
7〜9月はフェスが集中し、人気アーティストのスケジュールが埋まりやすい時期です。秋や春に開催時期をずらすと、夏には難しいアーティストにも出演を打診しやすくなります。
開催地がアーティストの拠点から遠い場合は、交通費・宿泊費に加えて移動日の拘束も費用に反映されます。地方のフェスなら、近隣の地域で活動するアーティストを候補に入れると、出演料以外の費用を抑えられます。
4.編成と演出
バンド編成か、ボーカルのみで音源を使うかによって、帯同するメンバーやスタッフの人数が変わります。たとえば5人編成のバンドと音源を使うソロ歌手では、同じ持ち時間でも交通費や宿泊費に大きな差が生まれます。
予算別のラインナップ例
出演料の予算ごとに、ラインナップの組み方の例を紹介します。金額は出演料のみの目安で、会場費や運営費は別途必要になる点に注意してください。
予算:〜100万円の場合
新人アーティスト2〜3組、または中堅アーティスト1組が目安です。商業施設のフェスや企業イベント内のライブステージなら、話題の新人1組をメインにして、地元で活動するバンドと組み合わせる構成が組みやすくなります。
予算:〜300万円の場合
中堅アーティスト1組をメインに、新人数組を組み合わせる構成が可能です。企業のブランドイベントであれば、ブランドイメージに合う中堅アーティストを目玉にすると、SNSでの話題化も狙いやすくなります。
予算:〜500万円の場合
人気アーティスト1組をヘッドライナーにし、中堅・新人で他の枠を固める構成が目安です。企業の周年記念フェスなら、ターゲット層に人気のアーティストをトリに据えることで、招待客以外の一般の来場も見込めます。
予算:1,000万円〜の場合
人気アーティストを複数組そろえたラインナップを組める予算です。ヘッドライナー級も候補に入りますが、人気アーティストはかなり先までスケジュールが埋まっていることも珍しくありません。
予算内でどのアーティストなら実現できるかは、開催時期や会場の条件によっても変わります。CASTIAでは、企業や自治体のご担当者、広告代理店の方からのご相談に対し、ご予算と来場者層に合うアーティストの候補と出演条件をご提案しています。
アーティストにフェス出演を依頼する方法と流れ
フェスへの出演依頼は、主に3つの方法があります。どの方法を選ぶ場合でも、開催の半年〜1年前から動き始めるのが理想です。
1.所属事務所やレーベルに直接依頼する
出演してほしいアーティストが決まっている場合は、公式サイトから所属事務所に問い合わせる方法があります。仲介の手数料はかかりませんが、初開催のフェスや実績のない主催者からの依頼は、検討の土台に乗りにくいこともあります。
2.イベント制作会社に依頼する
フェスの企画から当日の運営までまとめて任せたい場合は、イベント制作会社に依頼する方法があります。たとえば自治体が初めて音楽フェスを開く場合、会場設計やステージ設営と一緒にアーティストの手配も任せられ、担当者の負担を減らせます。
3.キャスティング会社に依頼する
キャスティング会社に依頼すると、予算や客層に合わせたアーティストの提案から、事務所との条件調整、当日の対応までまとめて任せられます。「予算300万円で20代に人気のアーティストを呼びたい」といった段階でも、候補を比べながら検討できます。
依頼から当日までのスケジュール

| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 開催の1年〜半年前 | コンセプト・予算・会場を決め、出演候補をリストアップする |
| 開催の半年〜4か月前 | 出演依頼と条件の調整を行い、契約を結ぶ |
| 開催の4か月〜2か月前 | ラインナップを発表し、チケットの販売を始める |
| 開催の2か月前〜当日 | タイムテーブルや技術面の打ち合わせを行い、当日を迎える |
上の表は、開催までの大まかな流れです。人気アーティストほどスケジュールが早く埋まるため、開催日から逆算して準備を進める必要があります。
小規模なフェスや企業イベントでも、出演の可否確認や条件の調整には時間がかかります。特に秋は学園祭シーズンとも重なってアーティストの予定が埋まりやすく、夏の終わりに依頼を始めると、候補がすでに他のイベントで埋まっていることも少なくありません。

第一希望のアーティストに断られたときに備えて、同じ予算感の代替候補を最初から2〜3組考えておきましょう。ラインナップの発表時期から逆算すると、断られてから候補を探し直す時間はほとんど残っていません。
フェスの出演料に関するよくある質問
Q.フジロックやロッキンなど大型フェスの出演料は公開されている?
国内の大型フェスで、アーティストごとの出演料が公開されることは基本的にありません。出演料は主催者とアーティスト側の契約で個別に決まり、非公開にされるのが一般的です。
Q.企業イベントの中でミニフェスを開く場合も同じ相場?
出演料の考え方は同じで、出演枠・持ち時間・知名度で金額が決まります。ただし招待制のイベントではチケット収入がないため、出演料を含めた総額を販促費やイベント費として先に確保しておく必要があります。

Q.広告代理店からキャスティング部分だけを依頼できる?
依頼できます。クライアントのフェスやイベントの企画・運営は代理店が担い、アーティストの提案や事務所との条件調整だけをキャスティング会社に任せる分担は一般的です。
Q.出演料のほかにアーティスト側の費用はかかる?
交通費・宿泊費、機材の運搬費、ヘアメイク費などが別途かかるのが一般的です。見積もりの段階で、出演料に含まれる範囲と別に精算する費用を分けて確認しておきましょう。
まとめ:フェスの出演料は総予算と出演枠から逆算しよう
- フェスの出演料は出演枠と持ち時間で決まり、オープニングアクトは20万円〜、ヘッドライナーは500万円〜が目安
- ワンマンライブより持ち時間が短く、設備も共有できるため、出演料は抑えられやすい
- 出演料は総予算の一部で、会場・設備・運営の費用を含めた総額で予算を組む
- 人気アーティストほど早く埋まるため、開催の半年〜1年前から依頼を始める
フェスの予算を組むときは、まず会場と開催時期を決め、設備や運営の費用を見積もってから出演料に充てられる金額を出してみてください。その金額をもとに、ヘッドライナーに集中させるか複数組に分けるかを決めると、ラインナップの方針が固まります。
候補のアーティストは、第一希望だけでなく同じ予算感の代替候補も含めてリストにしておくと、依頼後の調整がスムーズに進みます。
「この予算でどのアーティストなら呼べるのか」「ヘッドライナーにふさわしいのは誰か」と迷ったら、CASTIAにご相談ください。企業や自治体のフェスに合うアーティストの候補と出演条件を具体的にご提案するほか、広告代理店からのキャスティング部分のみのご相談も承っています。
